公開まで、あと11日。カウントダウン開始です。
そろそろツカミのネタが切れてきましたジャックです。
さて、今回はセロー監督来日3日目に行われた鎌田實さんとの対談についてお伝えします。
鎌田先生は、長野県の諏訪中央病院名誉院長として、
「住民とともに作る地域医療」の最前線に取り組んでおられる方です。
チェルノブイリ原子力発電所被爆事故の患者の治療に協力。
著書「がんばらない」は、2001年に西田敏行さん主演でテレビドラマ化され、
またNHKラジオ第1放送の祝日特別番組「鎌田實のいのちの対話」にパーソナリティーとして出演していらっしゃいます。
2006年の第57回NHK紅白歌合戦では特別審査員も務められたのも記憶に新しいですね。
『サン・ジャックへの道』の登場人物たちは、
歩きながら自己と向き合い、さらには見知らぬ旅人との交流や他者とかかわりあい、
人種や地位を超えて、解り合うことの大切さに気づいていきます。
人種や地位など関係なく、過酷な“命と平和と環境”の最前線で戦う鎌田先生と、
セロー監督の対談がここに実現しました。
来日最終日に行われたこの対談。
実に内容の濃い、感動すら覚える素晴らしいものでした。
立ち会ったジャックは、その場で涙が止まらなくなってしまいました。
「なにを大袈裟な…」と思っている方もいるでしょう。
でも、本当なのです。
しっかり社会を見つめた2人が話す時に厳しく時にやさしい言葉の数々が、
心にずしんと響いてくるのです。印象的なやりとりを少しだけご紹介しますね。
セロー監督:『信じられているということ、誰かの役に立っていると思えることが、
人間の生きる力になる。どんな人間でも、支えられそして、
誰かを支えて生きているんです。』
鎌田先生:『日本は、西洋に憧れ、ここ100年の間、自立の大切さを説いてきた。
自立・自立と唱えた結果、バラバラになった。
なんでもひとりでやろうと自分の殻に閉じこもってしまって、
“寛容で、助け合う精神”を忘れてしまったのかもしれません。
それは現代社会で、家族の絆や地域の絆が希薄になってしまった
理由のひとつかもしれません。
でもこの映画を観れば、その大切な大切な精神を思い出すはずです。
元々、我々日本人はそういう精神を持っていたのですから。』
セロー監督:『その通りです。今度はあなたがた日本人が、
その素晴らしい精神を世界に伝えていく番ですよ。』